川辺北小「プログラミング教育」公表会
プログラミング教育実践発表
~成果大、発信大の川辺北小学校公表会~
教育長 長谷川 哲
毎年1校に町教育員会指定、公表会・実践発表会開催をお願いしています。令和2年度は北小学校にお願いしました。プログラミング教育の内容や実践の発表です。「少なくとも町内の学校に向けてその一端を発表してもらうおう」「各校では北小の成果を生かしてプログラミング教育を推進してもらおう」と考えました。北小にお願いした理由はいくつもありますが、これからの教育の一つ「プログラミング教育」の研修を深め、付けたい力や指導計画・授業の在り方について、校長先生始め全職員で実践を積み重ねようとする想いが教委と軌を一にしました。加えて事務職員さんが、ICT利用に造詣が深く学校運営に広く参画していただいていることも追い風でした。
プログラミング教育は今年度(2020)から必修内容になりました。その目的は「コンピュータの仕組みを正しく理解し、上手に活用するための方法を学ぶ」ことの他に「プログラミング的なものの見方や考え方、とらえ方を学ぶこと、筋道立てて考える力を付けること」「適時適切に使えるよう情報活用能力を養う」ことなどがあります。ですから常時パソコンやタブレットなどのICT(電子機器)を使用せず、カードやパズルなどを活用してプログラミングの考え方を学習する場面もあります。見方や考え方は日常的にも発揮されています。例えば調理手順や掃除の手順はプログラミング的思考にあてはまります。
本来ですと町内外に広く広報し、多くの皆さんにお越しいただきたいところでしたが、現在の状況の中では難しいであろうと判断し、町内に限定し各校から代表の方や教育委員さん方を中心に少人数で参観していただきました。1年生はカードを用いた特別活動「教室以外で地震が起こった時に避難する方法を知ろう」、4年生はタブレットを位置づけた理科「とじこめた空気や水」、6年生は一人一台のタブレットやマイクロビットを活用した理科「発電と電気の利用」の授業公開でした。
○他校のプログラミング授業参観時、使用するキットやカード、ゲーム、材料、タブレットなどの手立てや教材に興味関心をもって一見「楽しそう」に学んでいる(というよりも過ごしている)場面を目にしたことがありますが、北小のどの学級もどの子どもたちも、教科の本質で「楽しく」「入り込んで」学んでいました。
○教科の本質で「楽しく学ぶ」ことができているのは、授業実施にあっての「ねらいが明確」であることです。「なにを」「なんのために」「どのように」身につけさせるか、思考させるかが実践されていました。
○子どもたちは参観者を気にすることもなく、普段の学びを発揮していました。つぶやき、自然交流、実感したことや掴んだことを自分の言葉で述べたり、書いたりしていました。育っています。
○指導案そのものもプログラミング教育のどこに視点を置いた構想なのか 「分類」を明示し、研究主題の「ここです」と明らかにされ、それを意識
しての授業実践でした。
○ICTの利用効果は「焦点化」「可視化」「再生化」「明確化」「共通化」など多岐にわたり、なんのために、どこで利用するかの視点が明らかでした。
○公表会冊子も必要最小限な内容に絞り込み、鮮明なカラー、プログラミング教育初任者のための参考資料添付など、配慮されていました。
プログラミング教育の「始めの一歩」「第2歩へ」を見事に示していただきました。町内各校に広げたい、学んでほしいと強く感じた一日でした。
私たちも次代を生きる子どもたちも共通するのは「一つの時代しか生きられない」ことです。『Society5.0』の時代は幕を開けています。そのまっただ中を生きる子どもたちに、どのような力を付けておいてやるのか、その一つがプログラミング教育だと思っています。
公表会にあたり、指導や助言をいただきました岐阜大学教育学部:福岡大輔先生には心より感謝申しあげます。