5月教育長想いを語る
ある日突然・・・『君恋し』
教育長 長谷川 哲
「百年に一度」「コロナ渦」「世界大戦」・・・・おどろおどろしい文字が躍ります。新型コロナウイルスの感染が止まりません。こんなことが起きるなんて「まさか!」と誰からも同音が口を突いて出ます。
ほとんどの学校がある日突然臨時休業に入り(3月2日)、春季休業を挟み臨時休業が延長されています。5月7日の再開が待たれるも5月いっぱいの再延長になっています。学校教育始まって以来のまさに「未曾有」の出来事です。休業延長の思いは如何ばかりかと対象は子どもたちに、先生方に、保護者に、地域にと広がります。子どもたちは家庭での生活に飽き飽きして学校の良さを実感しています。「友だちに会いたい」、「先生に会いたい」、「思い切り遊びたい」、「外に出たい」「体を動かしたい」、「早く勉強したい」、「図書室の本を読みたい」、「部活動がしたい」、「給食が食べたい」との思いは溢れんばかりのことでしょう。「あれやこれ君恋し」のやるせない思が伝わってきます。先生方はどうでしょう。「未だ見ぬ子どもたちに会いたくて会いたくて」、「笑い合って語り合いの教室を」、「授業が行いたくてたまらない」とこれまた、いろいろな君に恋しています。保護者のみなさんは「もうこれ以上家で世話や面倒を見るのは限界だ。早く学校が始まってほしい。」地域のみなさんからは「子どもたちの元気な挨拶や声が聞けず淋しくて仕方がない。早く普通にもどってほしい。」との君恋しの声が届きます。折も折、あるSNSでこんな歌が流れてきたようです。
しばらくは離れて暮らす「コ」と「ロ」と「ナ」 次会うときは「君」という字に
「君」という字を分解すると「コ」「ロ」「ナ」になります。この分解力や総合力に脱帽です。
感染症対策コロナ対応は国も県も市町村も誰もが初めてのことばかりです。前例のない対応が迫られています。平常の延長にある危機管理が問われています。「朝令暮改」、「朝三暮四」、「1時間前は古いこと」の連続で、「どたばた」「ばたばた」「またまた」の指示や通知、要請に翻弄され続けています。当町では入学式も始業式も実施していません。収束が叶えば6月1日です。夏服での入学式です。
「またまた」はエンドを願う今度こそ 「来た来た」待ってる入学式
「命第一」「学び第二」と言いながらも学校の大切さ、有り難さを誰もが再認識の5月です。学習意欲の喚起、学びの継続、自学自習の勧めなどの面から各校においてはあらゆる方法を駆使して子どもたちと連絡を取り合っています。健康状況や生活状況を把握するために、玄関訪問や電話訪問を行っています。通信を家庭のポストや学校の靴箱に届けているところもあります。当方が今学校に勤務していたら、学級の子どもたちに手書きの文字で手紙を書くだろうなと思ったりします。
さて、この緊急事態を乗り越え学力を保障するために、長期休業の短縮や行事の削減が進められています。子どもたちにとっては「彩りのない生活」「カラーからモノクロへの生活」となり、学校へ足が向かなくなる子どもたちが心配になっています。
一日も早い収束を願いつつ、しかし収束後も大変な状況に変わりなく、まさにチーム学校が問われる1年になりそうです。互いに考えを出し合って乗り切っていきましょう。
(S君とベルマーク・その5)
Nさんの班ノートの内容を帰りの会で紹介した。ベルマークは私たちには関係ないのだとか、持ってこれる人が持ってくれば良いと考えていた仲間が多く、気にする様子も無くいつものように聞いていたが、次の日から持ってくる子が増えてきた。T君もその一人だった。それまでベルマークに無関心だったが、買い物から帰ってきた母親の袋の中からベルマークの付いた商品を探し、切り取って持ってきたという。(学級PTAの席上、お母さんから耳にした。)T君はこんな班ノートを書いてきた。
『このごろ学級のために力を出す「がんばりやさん」が増えたと思う。S君を始め数人の子達です。ベルマークを持ってくることも活発になってきたので、ぼくも前から協力しなければと思っていた。しかし次の日の朝になると持っていくものは何だったかと忘れてしまい、なかなかチャンスがなかった。友達から「ベルマーク協力しよう」と言われていたので思い出してお母さんに聞いたら「少しばかりあるよ」という話だったので、妹と半分に分けて持ってきた。みんなはどれくらい持ってきているのだろうと思いながら持ってきた。やっぱりぼくがベルマークを渡しに行ったときもS君は、「ありがとう」の一言を添えてくれた。ぼくはまだ1回しか持っていってないので何か悪いような気がする。ノートに付いているということだったので探したが、昔切り取ってしまってもうないやつばかりだった。今度ベルマークが見つかったら必ず持っていきたい。』